マティス国防長官発言に注目です。見通しに変更なしです。
a. 中露の台頭
①. ティラーソン国務長官が11日モスクワ到着、ラブロフ外相と議論する。米はシリア空軍基地攻撃に続いて、G7の意を受け、アサド大統領を支持する露に制裁を仄めかすなかでの訪露(11日RT)。
②. 毒ガス攻撃は偽旗で、アサド大統領の信用を貶める為の仕業だ。もっとあるかもしれないとプーチン大統領が語った(12日RT)。
③. 新しい国連安保理決議の草案が、シリアの毒ガス攻撃についての調査を呼び掛ける西側諸国から提出された(11日Presstv)。
【分析】
西側が提出した調査決議によって、毒ガス事件の真犯人が判明したときが次の転換点だろう。
b. 米国
①. マティス国防長官は11日、アサド大統領に対し、再び化学兵器を使用することについては長くしっかり考えるよう注意した。なぜなら我々はここに受け身でいるのではないからだ。大変な痛い支払いを行うことになる。また我々の広範な戦略は世界戦略の一部であり、全体としてはIS掃討が最優先であり、シリアでの活動もIS掃討のためにデザインされた。活動は進行中だと強調した(日DebkaFile)。実に正確な表現。
②. トランプ大統領は3月に上院で批准されたモンテネグロのNATO加盟を承認した(11日RT)。
③. ティラーソン国務長官はウクライナでの衝突が米国民の利益かどうか疑問だと述べた。米当局は11日、伊G7外相会議の参加者にその旨を伝えた由(11日RT)。
④. スパイサー報道官は11日記者会見で、シリアへのミサイル攻撃の決定したが、それでもトランプ大統領の外交政策はいまだに米国第一だと述べた(11日Breitbart)。
【分析】
マティス曰く、米国には世界戦略があって、最優先はIS掃討であって、その戦略にシリア攻撃が組み込まれていると表現。実に正確に表現している。ただし、戦略の目標とは何かというと、米財政を支える資金を軍が稼ぐことだ。ティラーソンも、何故ウクライナを守るのか米国民にとって何の利益があるのか、と今更。NATOは金を払えと。モンテネグロも払うのだろう。ほらね、スパイサーも米国第一と明言している。
c. 中東情勢
①. イランは米の急襲(ミサイル攻撃)に対して露・シリアと協議した(11日Presstv)。
②. 人権組織のアムネスティは米の急襲を非難した(11日Presstv)。
【状況】
米露会談の結果他動き待ちの気配。
d. 欧州情勢
①. 独サッカーチームのボルシア・ドルトムントのバス近くで3発の爆発、1人が負傷。ホテルを出発準備中の事件。クラブは、爆発は去ったが計sつは原因を特定していない由(12日RT)。
②. G7は露に対しシリアについて更なる制裁を課すという英ボリス・ジョンソン外相の呼びかけを拒否した。ジョンソンは露に対し、懲戒的な制裁とアサドの支援をやめるよう共同声明を出すことを提案した。仏外相は、判るけどまだこれ以上はよかろうよと。G7はアサド体制では解決できないと同意したが、伊外相は、この瞬間に効果的なツールとしての制裁に同意が無いとした。即ち、皆意見が違う中、制裁はツールであり発出して終わりではないから、露を孤立させ追い込む政策はまずいとの意見。また、露は確たる証拠がないと言っている。そして会合前からEUと独は米英の対露制裁計画には冷ややかであった。伊外相はまとめとして、今回のG7にはサウジ、ヨルダン、カタール、トルコが参加しており、この会合を政治的な成功と述べた(11日RT)。
【分析】
G7はさすがに老獪である。首相(責任者)でないものから強烈な意見を浴びせておいて諸国に各々意見を述べさせる。まとまらないから制裁はできないと当たり前の結論に持っていく。天下のG7に招待し、露に対する反感と畏怖の念をサウジ等に見させて納得させ、行動を共にさせ安心して米連合に参加、資金拠出させる。当初の見通しに変更は無し。
e. 東アジアと南米
①. 特になし。
f. 極東
①. 北朝鮮「核強国」を強調 最高人民会議 米への反発強める(12日日経)。
②. インフラ整備に外資活用 ベトナム、まず南北高速道(12日日経)。国内需要が厳しくなる時期が来た時、外貨を稼ぎ収入を得る手段はASEAN開発の協力ではないかとみている。安原社長の出番。
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