前提・世界の現状

分析:米軍事戦略 byマティス国防長官

マティス国防長官の述べた米軍の世界戦略について考察した。見通しに変更なし。
この一覧表を見れば、現在の紛争が、同盟国のうち資金のありそうな国々から拠出される戦費によって賄われることは明白である。米国民の為に辛い仕事で国家財政を賄うのだ。

北朝鮮、東南シナ海及び中東に日本が巨額の拠出をするだろう。前二つは日本がターゲットであり、中東は世界の課題で、過去に辱めを受けながらも拠出した。
またアラブには豊かな同盟国がある。いずれも反シリア勢力である。ヨルダン国王とは先の訪米時に話が付いただろう。
対露国境とりわけウクライナはNATOが支援する地域。トランプ大統領は先週、NATO事務総長と会談し直後の会見で、「もはやNATOは時代遅れではない」と述べた。話が付いたのだろう。少なくこれまでの不支払い分を払う、今後はきちんと払うだろう。

ペンス副大統領が4月17日に韓国へ寄って、18日に来日する。経済協力対話がテーマだが作戦計画の説明と集金が含まれるだろう。そして、マティス国防長官は、18日から23日に、サウジ、エジプト、イスラエル、カタール、ジプチを訪問する。作戦と担当の説明と資金拠出の割当てだろう。栄光の勇猛マティス大将がつらい仕事にあたる。

これら諸国を見れば、過日のシリアミサイル攻撃の意味が判る。反シリアの気配で最優先のIS掃討資金を気持ちよく獲得する。米国の親イスラエル勢力の支持を得るということ。

そして、二国間問題。ここだけはガチンコとなる可能性がある。米は当然イスラエルの同盟国であり米国の時代を軍事他の技術で支えた国家である。親イスラエルでなければならず裏切れない関係だが、他の紛争で手いっぱい、国内も混乱するとなると軍事的には支援できない状況となる。また、IS掃討のため、中東に国連安保理でイスラエル非難決議をした世界の軍隊が集結している。トランプは和平の仲介をする歴史的な大統領となる。

東西冷戦から米国一極支配へ

戦後の東西冷戦体制が崩壊した後、米国一極リーダシップ構造を利用した支配体制の構築が試されました。グローバリストの登場です。
EUのように国家共同体の上部構造を利用して民主主義的に選ばれていない官僚に運営されたこと、TPPのISD条項のように国家を超えた運営の存在です。

米国が一大国へ撤退

2017年11月8日の投票でトランプ大統領が選ばれました。直後の11月13日日本経済新聞に掲載されたキッシンジャー博士のインタビューによると、米国は一大国へ撤退する由。トランプ大統領は自分は米国の代表で世界の代表ではないとして、米国第一を叫びますが、当然の主張です。

よって、現在の米国の仕事は、グローバリストが挑戦した支配体制の解体、背負ってきた肩の荷を降ろす作業、及び犠牲にしてきた国家の屋台骨を再建する作業です。

ところで、リーダー不在となった世界は一体どんな状況なのでしょう。そして新世界秩序はどうなるのでしょう。日本へはどんな影響があるのでしょう。

そして今、世界で全体で起きていることは、世界中に張り巡らされた上記支配体制の解体、旧体制の残滓の始末、新世界秩序構築作業などということになります。

これらが現在進行形の世界の動静の焦点なのです。

現状の世界の課題とは

では現状の世界の課題を整理します。他にあればご教示ください。

◎支配体制の解体(運営担当者(グローバリスト)の交代)
 ●米大統領交代、英国のEU離脱、EU諸国の選挙、自民党危機等々
 ●反対派の粛清(該当者等の詳細は不明ていうか秘密)

◎米国の荷下ろしと再建
 ●製造業の再建と法人税減税、タックスヘブン問題
 ●財政再建(3月15日に債務上限の期限切れ、議会は未作動)
 ●情報組織の整備、諸制度の改善、不法移民処置、麻薬対策等
 ●同盟・通商協定等、外交関係の整理(双方向の問題)

◎旧体制の残滓の始末
 ●中東和平(シリア、イラク、IS掃討、二国間問題等々)
 ●朝鮮半島の統一
 ●EU再考
 ●新通貨体制(ドル基軸通貨体制及び米国通貨の分離)構築

◎新世界秩序構築作業(現在の守護神はプーチン大統領)
 ●国連改革(事務総長交代)