a. 中露の台頭
①. クレムリンのペスコフ報道官は10日、シリアにおける米の行動は、この地域にいる他の役者との「利益や懸念の共有と協働を完全に望んでいない」ことを示していると述べた(日RT)。正確な表現だが世界運営上問題なく正しい。
b. 米国
①. スパイサー報道官は、非人道的な行為を行ったシリアへの攻撃は今後もその可能性を留保する、他国へも同様、世界は断固として行動する大統領を見た、と記者会見で述べた(10日RT)。
②. 一方TV報道によると、ティラーソン国務長官はISが優先課題と明言(10日RT)。
③. 保守派の論客パット・ブキャナン氏は10日ラジオで、心配ない、一度限り、マケイン・グラハム・ルビオたちが戦争パーティーだと盛り上がるがそうはならない、敵はISだと述べた(日Breitbart)。
④. トランプ大統領のシリア攻撃は露の企みではないか(10日Breitbart)。錯乱した言論も米にある。
⑤. カナダのトルドー首相は10日、より厳しい対露制裁を検討していると述べた。米英が同様の発言をし、G7で同盟国やパートナーが議論を始めた。制裁その他の方法で明確な方法で、露は先週のアサド政権による血なまぐさい行動の責任を知る或いは知らされるべきである由(10日RT)。
【分析】
露陣営との対立を叫びG7など各国を一気に巻き込んでいく米国。露国境の脅威もある中で欧州全域、シリアをいじめたいアラブ富裕同盟諸国、そして日本。世界が参加すればより多くの資金が集まり、米軍の現金収入が増える。より軍事力が増せば米軍の負担が減る。いずれも米国に有利。そして真の敵はISとして微動だにせず。
c. 中東情勢
①. ISの報道部門アマクによると、10日イスラエル南部エシュコル地方議会の温室に着弾したロケット攻撃についてISが犯行声明した。イスラエル国防軍によると、エジプトのシナイ半島から発射された。一人がショックで苦しんでいるが他にけが人は無いとのこと(10日DebkaFile)。
②. 米スパイサー報道官等の発言を受けてイランのロウハニ大統領は10日、シリアへの更なる攻撃といった脅しはこの地域を「極めて危険」な状況へと追い込むと警告した(10日Presstv)。
③. イランのサリフ外相は10日EU外交問題安全保障政策担当代表フェデリカ・モゲリニと電話会談、露シリア等諸国の外相に対するのと同様に、毒ガス事件に関する国際的事実調査委員会を創設する必要があるとのイランのスタンスを念押しした(10日Presstv)。
④. モゲリニは10日発言、EUはシリア危機の政治的解決を米と合意できるよう希望する(10日Presstv)。
【分析】
米がシリア攻撃となり、IS掃討にイスラエルの参加があり得べき展開となった。必要程度の掃討活動の後、IS掃討は終了するだろう。その頃、毒ガスの真犯人は明らかとなるのだろう。一方、当然イランは調査を要求する中、EUはこれと意が通じている。あれれ。
d. 欧州情勢
①. イタリアのG7外相会合開催地で抗議活動家と警察が衝突した(10日RT)。ちょっと意味不明。
②. G7のエネルギー相会合は10日、気候変動に関する共同声明は米国の保留で失敗した(10日RT)。
③. ベルギー外相ディディエ・レンデルスは10日ラジオでトランプ大統領に対して、(ミサイル攻撃の)次の外交政策決定は国連の枠組みの範囲内での決定を保証するよう呼び掛けた(10日RT)。NATO。
④. 独内相は10日報告、200名以上の人々が独からクルド民兵としてISとの戦いにシリア・イラクへと旅立ったと。うち69名は独国民だと、特にデリケートな独トルコ関係問題に触れて(10日RT)。
⑤. ノルウエイ警察は9日、爆発物の発見により安全警戒レベルを上げた。2010年から移民適用されノルウエイに住んでいる17歳の露系市民が、事件の容疑者として拘留されている(10日RT)。
【分析】
欧州主要国が米に追随する一方で、ベルギーは国連の枠組み、即ち国連は露イラントルコにシリア和平プロセスを託しているのだと正論を述べ米をたしなめ、独がトルコとの関係を蒸し返す。EU首脳は国連寄りで進んできたので冷静であり、NATOも、米露問題でもトルコ問題でも一枚岩でない姿勢を留保している。並行してノルウエイは対露緊張を醸し出す。
e. 東アジアと南米
①. ドゥテルテ大統領は10日、「中国は落ち着いて、我々は友人で戦争しない、島に銃は一つも置かない、ただ旗を立てる」と広報した。数か月に亘る中国との相互関係進展活動の後、明らかに反転した先週、国際監視団を驚かせた軍令「中国が盗る前に無人島に構築物を」の続き(10日Breitbart)。
f. 極東
①. 人口、2053年に1億人割れ 厚労省推計 50年後8808万人(11日日経)。公務員等の費用減が課題。
②. 財務省10日発表、海外投資家16年度、日本株2年連続売り越し(11日日経)。
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