1. 全体像と見通し
先週、マティス国防長官は「米軍は世界戦略に基づいて活動しており、シリアへのミサイル攻撃はその一部である」と正直な発言をした。繰り返しとなるが、米国財政は風前の灯で財務省の資金は6月で終了との観測もあるほど。債務上限延長期限を過ぎ4月28日に猶予期間を終える。現在企画されている紛争は、一部(二国間問題はガチンコ)を除いて、米軍事ビジネスであるという見方である。
添付資料「マティス国防長官軍事戦略」をご参照いただきたい。拙HPにもアップした。この整理に沿って、マティス国防長官の述べた米軍の世界戦略について考察した。
この一覧表を見れば、現在の紛争が、同盟国のうち資金のありそうな国々から拠出される戦費によって賄われることは明白である。米国民の為に辛い仕事で国家財政を賄うのだ。
北朝鮮、東南シナ海及び中東に日本が巨額の拠出をするだろう。前二つは日本がターゲットであり、中東は世界の課題で、過去に辱めを受けながらも拠出した。今回も支払う。
またアラブには豊かな同盟国がある。いずれも反シリア勢力である。ヨルダン国王とは先の訪米時に話が付いただろう。
対露国境とりわけウクライナはNATOが支援する地域。トランプ大統領は先週、NATO事務総長と会談し直後の会見で、「もはやNATOは時代遅れではない」と述べた。話が付いたのだろう。少なくこれまでの不支払い分を払う、今後はきちんと払うだろう。
そして、ペンス副大統領が4月17日に韓国へ寄って、18日に来日する。経済協力対話がテーマだが作戦計画の説明と集金が含まれるだろう。そして、マティス国防長官は、18日から23日に、サウジ、エジプト、イスラエル、カタール、ジプチを訪問する。作戦と担当の説明と資金拠出の割当てだろう。栄光の勇猛マティス大将が米国民のため、つらい仕事にあたる。
ここでお気づきのことと思うが、ペンス副大統領の来日は既に決まっていた。ここまでに、諸準備を整えることになっていたということだ。失敗しても日本は超密接な同盟国である。こうした話は全て理解しているほどの間柄だから、どうにでもなろう。一方、マティス国防長官の歴訪は先週発表された。危ない橋だったが、露に事前に伝えていたシリアへのミサイル発射は、イスラエル及び中東同盟国は大歓迎を発表、米国内(ヒラリーやマケインは評価した)、G7外相(ティラーソン国務長官が出席)、対露(ティラーソン訪露)で一連の地ならしと説明を完了。中国には同席において一番に説明済み。全ての環境が相整って中東歴訪なのだ。慎重に運んだが、今週がターゲットウィークだったわけだ。おそらく4月28に向けて。
くどいようだが、これら諸国を見れば、過日のシリアミサイル攻撃の意味が判る。反シリアの気配で喜ぶ諸国から、最優先のIS掃討作戦への参加協力と資金を気持ちよく獲得する。米国内の反シリア勢力の支持を得るということ。米国が未だに世界の中心に見えている間のリーダーシップを思い切り活用している。
そして、二国間問題。ここだけはガチンコとなる可能性がある。米は当然イスラエルの同盟国であり米国の時代を軍事他の技術で支えた国家である。米は親イスラエルでなければならず裏切れない関係だが、他の紛争で手いっぱい、国内も混乱するとなると軍事的には支援できない状況となる。また、IS掃討のため、中東に国連安保理でイスラエル非難決議をした世界の軍隊が集結している。かくてトランプは、中東和平を仲介する歴史的な大統領となる。
2. 2017.4.19時点の見通し←NEW
同日付の日本経済新聞が報じたところによると、露浮(ウクライナ)独仏4か国最高首脳は電話会談し、停戦順守の重要性強調。露ウ大統領府が18日共同声明を発した。拙HPにも掲載した。https://ibw.amebaownd.com/posts/2280804
当初見通しのとおり、上記1に示したNATOとトランプ大統領の手打ちは整い、ややあって、ウクライナ国境は仲介役を含めて和平へと進むか。よって、これ以上の紛争は不要とのことか。まだ予断を許さないので、この点も含めて注目を継続する。
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